1年間ありがとうございました

                                                                                                              校長  小 林 香 織

 

 19日(水)に、第79回卒業証書授与式を挙行しました。6年間の学びを終え、巣立ち行く3名の卒業生の晴れやかな、そして未来に向かって羽ばたこうとしている素敵な笑顔が輝きました。

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 4月の始業式で、「いろいろなことに挑戦して、自分の1番を探してください」と子供たちにお話しました。この1年で、全員が何かしらの1番を見つけられたかな…と思います。ともすると、人は他の人と比べて優劣をつけてしまいがちです。でも、本当に比べなければならないのは他人ではありません。昨日の自分より少しでも成長する、これが大事になります。たしかに1日に成長する量は、場合によっては手応えがないことが多いかもしれません。でも「塵も積もれば山となる」。ほんの僅かな1日の成長も、1年365日経つと、明らかに大きな成果となります。

 本日の修了式で渡された通知表には、この1年間の学びを全て修めましたという意味の「修了証」がついています。

 それぞれの学年での学びは、教科の学習だけではありません。「勉強」としてできることだけでなく、様々な行事や体験・経験を通して得られること全てが「学び」となります。例えば、算数が苦手でも誰かの話をじっくりと考えながら聞くことができたり、運動が苦手でもお話しすると多方面にわたって知識が豊富だったりと、子供たち1人1人には教科の学習だけでは測れない側面がたくさんあります。

 通知表では、学校での教科の学びと、日常の様子での学びの両面を評価しています。「学習の様子」や「行動の記録」の◯の数だけで一喜一憂するのではなく、多くの側面からこの1年の子供たちの学びの深さを認め、誉めてあげてほしいと思います。

  人は、何かしら得意なこと、苦手なことを持っています。そしてそれは、誰1人同じではありません。苦手なことは、全て克服しなければならないのではありません。どんなに頑張ってもできないこともたくさんあります。例えば「100mを10秒未満で走れ」といわれたところで、無理です。どんなに頑張ってみたところで、できるようになるわけでもありません。「○○が苦手な自分」も「◎◎が上手な自分」も「△△ができない自分」も「@@が速い自分」も、全て自分だと認めることができるようになると、気持ちが楽になります。

 といっても、苦手なことを全て「できないんだからできなくても仕方ない」と諦めるのではなく、大人になったときに困らない程度に頑張れる力を、子供のうちにつけておくことが大事です。『苦手だけど頑張れる』そんな気持ちが子供たちにとって、大事になりますね。

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 本日、令和6年度一年間の教育活動を無事に終えることができました。これもひとえに保護者・地域の皆様のご理解とご協力の賜物と、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 まもなく始まる令和7年度を迎えるにあたり、下幌呂小学校が子供たちにとってさらに「安心して失敗できる場所」であり「自分のよさや可能性を見つけ、自ら伸ばしていける場所」となり、「保護者・地域の皆様と一緒に子供たちを育んでいける場所」となれるよう、教職員一同、力を傾注したいと存じます。今年度のご支援、ご協力に感謝するとともに、次年度もどうぞよろしくお願いいたします。