どうして家でも勉強しなきゃならないの?

                                校長  小 林 香 織

  鶴居村教育委員会研究指定校鶴居村立下幌呂小学校公開研究会を11月21日に行いました。村内・釧路管内の多くの先生方が参観し、子供たちの授業での学びとその進め方等について協議を行いました。この協議でいただいたご意見をもとに、子供たちにとってより実りある学びになるように更に研修を深めていきたいと思います。ありがとう ございました。

                ☆   ☆   ☆

 『学校で朝から夕方まで勉強しているのに、どうして家に帰ってまで勉強しなきゃならないんだろう?』

 世の中の子供たちの多くが、こんな疑問を1度は抱いたことがあるのではないでしょうか?なぜ復習をしなければならないのか?主な理由は2つあります。

 1つめは『脳細胞の仕組み』。

脳はニューロンという神経細胞からできています。その数は大脳で約160億個、小脳で約690億個、脳全体では約1000億個以上にもなります。何かを学ぶと、1つのニューロンから次のニューロンに軸索(じくさく)という突起が伸び、シナプスと呼ばれる部分から情報を電気信号として出力します。これを繰り返すことで次々とニューロンが繋がり、計算したり新しいことを覚えたり、理解したりしていきます。授業中に「あ!わかった!」という時は、このニューロンがシナプスによって繋がった状態です。しかし、ニューロンが1回繋がったとしても、非常に細い繋がりです。高速ネットワークにするためには、この繋がりを太く、密にしなければなりません。そのためには、何度も何度も繰り返して読んだり書いたりする必要があります。

 2つめは、『脳は「忘れる」ことも仕事』。

 脳に入った情報は、『海馬』というところに一度集められ、整理されます。この海馬は必要な情報といらない情報をわけて、「いらない」と判断したものは忘れるという作業をしています。何をもって海馬は必要か不必要かを判断しているのかというと、繰り返し入ってくる情報の量です。何度も何度も入ってくると『これは重要』と判断し、1度しか入ってこないと『重要ではないから忘れてもいい』と判断するのだそうです。ということは、大事な学習や覚えなければならないことは、何度も何度も繰り返してする必要があるということですね。

                ☆   ☆   ☆

 「頭がいい」とはどういうことなのでしょうか?わかりやすいのは「勉強ができる」。でもテストの点数は取れても、日常生活に応用できなかったり、相手が何を望んでいるかとかどんな気持ちでいるかを考えられなかったりすると、「頭がいい」とは言えないこともあります。『どんなに世の中が変化してもおいていかれることなく、常に自分自身(情報処理能力・記憶力・コミュニケーション能力・問題解決能力・創造力等必要な能力)をアップデートさせながら能力を発揮し、自分らしく生きることができる頭のよさ』が、今求められている「頭のよさ」でしょう。

 子供たちが納得して学習し、自分自身を磨いていけるように、できましたら親子で一緒に読み、お話していただけたらと思います。