学校だより

おうちで「お手伝い」させましょう!

                              校長  小 林 香 織

  6月8日(土)の運動会には、多くの保護者・ご家族の皆さん、地域の皆さんにご観覧、ご参加いただき、本当にありがとうございました。最後のリレー前の点差が6点、そして全校リレーではアンカーの2人のゴール前のデッドヒートと、とても白熱した動会になったと思います。

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 運動会が終わり、子供たちはその頑張りを「キャリアパスポート」に記入し、家庭に持ち帰りました。「私は○○を頑張ったよ」「△△は苦手だったけれど頑張ったらできるようになった」など、子供たちの頑張りにきっと保護者の皆様も目を細めながら、コメントしていただけたのではないでしょうか。

 現在、学校では3年生以上の児童が児童会活動として委員会に所属し、様々な活動を行っています。また、各学級では○○係などの係活動や日直や給食当番などの当番活動を行っています。これらは広い意味で「キャリア教育」の一環です。発達段階に応じて、自分自身について理解を深めたり、できることややりたいことを増やしたり、友だちのよさや集団への積極的参加など社会に出るための力をつけていきます。

 「学校では頑張ってるって聞くんですが、家に帰ってくると甘えん坊で何にもしないんですよ」という声をこれまでにあちこちの学校で耳にしました。子供にとって家が一番安心できて甘えられる場所であることはとても良いこと。でも頑張っている姿も見たいですよね。そんな時こそ「お手伝い」です。時間のあるときに「一緒におやつを作ってみる」「お掃除を一緒にする」「晩ご飯の準備を手伝ってもらう」「ご飯の後片付けを一緒にする」など、『子供が今できること』に少しだけ負荷をつけて、一緒にやってみてください。そして、時間がかかっても少しでもできるようになったら、「上手にできたね」「おいしかったよ」と賞賛の声をかけてあげてほしいと思います。
  実はこのお手伝いは、「一緒にやる」ということが大事なカギになります。「一緒にやる」ことで「頑張ったことをすぐに認めてもらえる」ということが、子供たちの自己肯定感や自己有用感に繋がります。子供の頃に育った自己肯定感や自己有用感は、その子供にとっては一生の宝物です。どんなに難しい課題にぶつかっても、幾度となく転んでも、この宝物を持っていると何度でもチャレンジする人間になっていくものです。

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 「三つ子の魂百まで」ということわざがありますが、大人になってもチャレンジできる人に育てるためには、小学生の今、何度でもチャレンジできる環境を創ってあげることが必要なのだと思います。学校でも家庭でも、子供たちのチャレンジや頑張りを認めて次に繋げていきたいものですね。

タブレットもいいけど、辞書もね!(5月28日)

                                  校長  小 林 香 織

 5月19日の環境整備は、ちょっと暑すぎ・・・と思える天候でしたが、保護者、地域の皆様のご協力であっという間に学校周辺がきれいになりました。本当にありがとうございました。       

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 さて、現在学校では1人1台のタブレットを活用した授業を進めています。自分の考えを記録する、記録した考えをもとに交流する、気になったものを写真に撮る、などなど、様々な使い方を駆使して子どもたちは学習を進めているところです。

 私たち大人も、スマートフォンを日常的に使っています。スマートフォンやタブレットは、電話やメール、インターネットを使って調べる、メモ帳やスケジュール帳、ゲーム機など、様々な機能を持った「小さなパソコン」と言えるかと思います。とても便利な文明の利器です。こんなに便利なタブレットですが、果たして子どもたちにとって、本当にメリットばかりなのでしょうか?デメリットはないのでしょうか?

 子どもたちの学習の中には、言葉や漢字を調べる学習があります。タブレットが普及する前は、「辞書」や「辞典」を使って調べていましたが、今やほぼタブレットで調べることが多いようです。この「タブレットを使って言葉の意味を調べる」と「辞書・辞典を使って言葉の意味を調べる」活動を少し比較してみます。

     

  小学校の学習で、タブレットに慣れた子どもたちにとって、辞書・辞典を使って調べることは、「面倒くさい」ことだと思います。しかし、脳科学の面からは、辞書・辞典を使うことが推奨されています。なぜかというと、辞書・辞典のページをめくるときの指先の感覚が、脳に刺激を与え、記憶中枢を活性化させ、調べた言葉が定着しやすいそうです。高齢者がボケ防止のために麻雀をしたり、折り紙などで指先を刺激したりするのと同じ効果があるとか。また、メリットの欄にも書きましたが、1つの言葉を辞書で調べると、その周りに8つの言葉を読むことができ、1回調べるたびにその周りも読むと、全部で9つの言葉を知ったり覚えたりすることができます。1回で9度おいしいなんて、アーモンドグリコよりもお得ですね。

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 「最近の若者は言葉を知らない」「語彙が少ない」と数年前から言われています。世の中は、コスパやタイパなどと言われ、どんどん便利になる風潮ですが、人間の成長にはある種の「不便さ」も必要です。不便だからこそ、工夫する・考える・試してみるという活動が生まれます。ちょっと面倒くさい辞書・辞典を引く活動が当たり前の活動になれば、子どもたちの語彙が増えるとともに、豊かな表現に繋がっていくことでしょう。こんなに便利になっている世の中ですが、子どもたちの学びを豊かにするために、少しだけ「不便さ」も取り入れてみませんか?

 

家族でたくさん会話していますか?(4月26日)

 

                               校長  小 林 香 織

 4月8日の始業式、入学式、14日の参観日、PTA総会、そして23日~25日の個人面談と、保護者の皆様にはご多用中にもかかわらず、本校の教育活動へのご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。

 明日から春の大型連休に入ります。元気、やる気いっぱいに過ごした4月の疲れをこ  の大型連休で吹き飛ばして、また5月から元気に過ごせるといいなぁと思います。

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 この大型連休で疲れを吹き飛ばすと同時に、家族でたくさん『会話』してもらえたらなぁ…と思います。会話を楽しむということは、子どもの言語能力を発達させる一番の方法です。特に親子での会話は、子どもが安心して話せるため、単純に言語能力だけでなく、言外のコミュニケーション能力(表情や身振り、手振りなど)も発達させることができます。言葉のシャワーを浴びると、子どもたちの言語能力は向上します。一番発達するのは乳幼児の時期ですが、その次に発達するのは小学生の時期です。

 かれこれ30年も昔になるでしょうか。私はこの『言葉のシャワー』の力を目の当たりにしたことがあります。当時、実家の横に娘が生まれたばかりの若い自衛隊さんのご夫婦が越してきました。でも旦那さんは仕事や訓練で1週間、1ヶ月単位で家を空けています。家にはお母さんと娘だけ。このお母さんが、「静かに寝てるから…」と、あまり娘に話しかけなかったそう。2年後、息子が生まれました。ちょうど2才になった頃の娘が風邪を引いて病院に行くときに、下の息子を私の両親に「息子を1~2時間預かってもらえますか」と預けていきました。しばらくぶりの乳児に私の両親は大喜び。息つく暇も無いくらいの勢いで息子に話しかけます。そんなことが月に数回…というのが数年続き、息子はものすごい量の言葉のシャワーを浴びていました。それから数年後、娘は話しかけてもお母さんの後ろに隠れてしまい、返事もままならないのに対し、息子は何でもよくしゃべります。1年間に十数回の言葉のシャワーだけでも、こんなに差が出るのだから、毎日親子の会話を続けたら…と考えるとすごい力を発揮することになりそうです。

 ここでちょっとだけ危惧するのは、「話しかけない」という意味では、子どもに「静かにしていてほしい」場面でゲーム機やスマホを預けるということも同じだということ。静かにしていてほしい場面でなぜ静かにしなければいけないのかということを「どうせ分からないだろう」ではなく「分かってね」と話しかけると、時間はかかっても子どもは理解してくれます。時には「なんで?どうして?」と聞かれてうるさいと感じるかもしれませんが、全てを答えるのではなく、「どうしてだと思う?」と子ども自身に考えさせてみてください。子どもはちゃんと理解して静かにしてくれます。その頑張りをタイミングよく誉めることで、子どもたちの言語能力も自己肯定感も伸びていきます。

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 祖父母も含めて家族でたくさん会話をする事が、子どもたちの言語能力と言外のコミュニケーション能力を高めます。子ども同士だけではなく、上の年代と話をすることで少し難しい言葉も覚えます。1日わずか10分でもよいので、たくさん会話をしてみてくださいね。

自分のよさを自分で見つけよう (4月12日)

                                    校 長   小 林 香 織

 4月8日、鶴居村教育委員会教育長 村上明寛様、下幌呂小学校PTA会長 畠山 務様をはじめ、多くの来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、無事に令和6年度入学式を挙行することができました。改めましてお礼申し上げます。

 

 さて、入学式の前の始業式で、児童に次のような話をしました。

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「日本で一番広い都道府県は?」「日本で二番目に広い都道府県は?」「日本で一番高い山は?」「では、日本で二番目に高い山は?」

 日本で一番広い都道府県は北海道、二番目は岩手県。日本で一番高い山は富士山で、二番目は南アルプスの北岳という山です。この問題から分かることは、一番のものはよく知られているけれど、二番目のものはあまり知られていないということ。

 これは、人も同じことが言えて、何か一つ、一番になれることがあると、皆によく知ってもらえたり、自分の気持ちが前向きになって自信を持つことができたりします。

こんな話をすると、「自分には一番のものがない」とか「一番になれないからダメだ」と思う人がいるかもしれません。でも大丈夫。日本で二番目に広い都道府県の岩手県は、「本州で一番広い都道府県」または「日本で一番広い県」です。

 見方や比べる対象を変えることで、誰でも一番になることができます。今年一年、いろいろなことに挑戦して、自分の一番を探してください。そして、見つけた一番のことや自分のよいところを自分に教えてあげてください。それは、自分の小さな自信となっていつか大きく花開きます。この一年で自分の一番をたくさん見つけてください。

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大きな一番でも小さな一番でも、自分のよさを自分で見つけることで小さな自信(自信の種)が生まれ、それは花芽が膨らむように大きくなっていきます。児童自身が見つけた小さな自信をより大きく強く育てていくのは、保護者や先生方がタイムリーにかける「ほめる言葉」なのだと思います。 学校では子供たち一人一人が自信をもって学びに取り組めるように、保護者・地域の皆様と手を携え、連携を深めながら指導・支援をしていきます。どうぞ一年間よろしくお願いいたします。