学校だより

令和5年9月29日号

『成長する子ども達』
校長 笹 川 義 孝

 23日に開催されました「鶴居村ふるさと祭り」で、本校児童がタンチョウソーランを披露しました。観客側からその姿を見ておりましたが、テーブル席にお座りの方々が大変嬉しそうに見いたのが印象的でした。物怖じせず全員で大きなかけ声を発する子どもたちの姿から、私は勢いを感じました。きっと観客の皆様も演舞する姿から「元気」を受け取ったのではないでしょうか。
地域の催しに積極的にかかわる子ども達には、既に郷土愛が備わっていると感じました。
 さて、本日をもって前期を終え今年度の折り返しとなりました。ご家庭には、「あゆみ」を発行して前期のお子さん学習・生活の様子をお伝えいたします。
 鶴居小学校の子どもたち一人一人に様々な優れた力や誰よりも突出した力があります。既にその力の片鱗が見えているお子さんがいますし、まだ潜在していてこれから発揮されるお子さんもいます。また、「みえない学力」と言われる教科学習や学校生活という「ものさし」では測れない能力が優れているお子さんもいます。このような一人一人の持ち味を評価や所見にてお伝えいたしますので、素晴らしいことを褒め、これからの励みとなる声かけをなさっていただければと思います。
 数多くあるこれまでに見られた前期鶴居小学校のよさから、特によさが象徴されていた5点をお伝えします。
①「つるいの子6か条」の定着
 村内全校で統一した6項目の学びのスタイル(学習用具の机上への置き方、ノートの書き方、 話し方・聞き方)が定着しています。全員が「揃う」ことで、集団の学びが深まります。いつ ・誰が・どの教室の様子を見に行っても、集中して落ち着いた雰囲気の中で学習が進められて いたことが素晴らしいです。 
②命を守ることができる子どもたち 
  安全・安心に過ごすために最も重要な命を守る学習(避難訓練、防災・防犯学習)をしっか 行います。特に避難訓練(地震・不審者対応)は避難完了後に私が講評で子どもたちに伝える ことは何もないほど素晴らしかったです。訓練であっても緊張感を持ち、素早く行動し、教員 の指示が瞬時に行き渡ることは、鶴居小学校だからこそできる高い水準です。
③ICTを活用する力の向上
  5月以降に「健康観察」をタブレットで入力することへ移行したのは、タブレットを用いる ことが目的の一つでした。現在は発達段階に合わせて、効果的に「調べる」「考えを交流する」 「まとめる」「記録を残す」などを行うためにICTを活用しています。一人一人の考えや追究 結果を全員で共有するなど、これからの教育が目指す学習展開へ順調に向かっています。
④みんなが優しい
  学校の大黒柱である6年生は、日頃の姿に素直さや親切さが溢れています。6年生が下級生 に接する優しい姿は、他学年の手本となり全体に広まって学校風土となっています。上級生が 下級生を優先して譲るさりげない気配りは、あらゆる場面でみられます。下級生の表情や接し 方から下級生は上級生を頼りにしていることがわかります。微笑ましい関係が築かれています。
⑤保護者の皆様にいただいたご理解とご協力
環境整備への参加、学習準備のご協力、学校の方針へのご理解等で多大なお力添えをいただ きました。そして、保護者の皆様が自分のお子さんと同様の愛情で全ての子にかかわってくだ さりました。このような皆様の姿を子ども達が見て、引き継ぎ、優しさを持って意成長しています。素敵な「お手本」を示していただきありがとうございます。
10月から開始する後期の教育活動におきましては、一層皆様のご期待に応えられるよう、子ども一人一人を大切にし、精一杯の愛情を注ぐ教育を進めてまいります。

令和5年8月31日号

『若者の純粋な心』
校長 笹 川 義 孝

暑さが続いた夏休み期間を、地域産業に携わる皆様は忙しく過ごされたことと思います。今、校内は子供が夏休み中に取り組んだことや様々な思い出がたくさん掲示され賑やかです。一人一人の努力の跡がはっきりと見られると同時に、保護者の皆様がお子さんと一緒にからご協力いただいたこともあったと思います。ありがとうございました。
 さて、私はスポーツ観戦していて感動的なシーンにたくさん出会いました。延長戦を制した北海高校の野球、北口選手のやり投げ金メダル、男子バスケW杯での逆転勝利…。その中で、選
手(特に若い年代の方)の姿からとても勉強になったことがあります。 

スポーツクライミングの「ボルタリング」という種目では、競技開始前に選手が全員でこれから登る壁を下見する「オブザベーション」という時間があります。その下見の際、選手同士が攻略するための意見交換を行い、自分の攻略方法を惜しみなく相手に伝えます。 

選手は競い合う相手が失敗することを望んでおらず、お互いが最善を尽くし、相手が成功すれば称えてともに喜びたいのです。この「ライバル=仲間」の関係については、東京五輪のスケートボードで銀メダルを獲得した開心那選手(当時は中学生!)も語っていました。実際に競技中は相手選手に駆け寄り、称えたり、失敗したことを悲しむ相手を励ましたりする姿がどの大会でも見られます。
 スポーツに取り組む選手たちの姿勢が、健全かつ純粋であることを強く感じました。皆、自分の競技の楽しさや素晴らしさを自分の姿を通じて知ってほしいという思いを持っています。
 この考えは、まさに生涯を通じて、いつでも、どこでも、誰でも親しめる「生涯スポーツ」につながります。明るく活力のある社会を作るために、体を動かすことの大切さや素晴らしさを広めているアスリート達の功績は大きいと思います。
 学校教育にも生涯スポーツの精神を育む役割があります。鶴居小の子供にも着実に定着しつつあると感じています。例えば、5月に実施した運動会での一場面。徒競走や団体競技で勝負に勝ったとしても、相手がゴールするまで応援して称え、拍手を送る姿がありました。
 このような姿を私は素晴らしいと思っているのですが、当の本人には既に当たり前になっています。私の見方・考え方は時代に追い付いておらず、アスリートがもっと違うレベルの「志」を目指していることがわかり大変勉強になりました。素晴らしい若者がいる世界・日本の未来は明るいです。

◇ 熱中症予防対策について ◇
 8月25日は昼頃から暑さ指数が危険なレベルまで上昇したため、下校時に直接帰宅するお子さんの家庭に迎えのお願いをいたしました。ご対応いただきましてありがとうございました。
 夏休み明けから厳暑が続きましたので、24日に学校メールにて持ち物に関するご連絡をいたしました。「冷感グッズ」についてはお願いした学習に支障のない範囲で用意されております。ありがとうございます。
 なお、水筒に入れる飲み物は現状の「水」とし、スポーツドリンクにつきましては、「不可」としました。スポーツドリンクの効果等は理解しておりますが、含有の糖分量が多く、喉が乾いたら水よりもスポーツドリンクを飲むようになった時の糖分摂取過多を危惧したことが不可とした理由です。学校といたしましては、9月が近づき今期の厳暑がやわらぎつつありますので、現状の「水」で問題ないと考えます。引き続きこまめな水分補給等、細心の対策を継続してまいりますのでご理解のほどよろしくお願い致します。

令和5年7月24日号

『365歩のマーチ(1学期編)』
校長 笹 川 義 孝

【一日一歩】
 知人や親戚の子と久しぶりに会うと、大きく成長したことに驚きます。一方、私は自分の子供とは毎日過ごしていましたので、心と体の成長は「節目」の機会で振り返らない限り実感することが少なかったです。皆様はいかがでしょうか。
学校は計画的な教育実践の場でありますので、行事や単元の学習、活動で区切りがついた時に評価を含めた振り返りをします。例えば、算数の新しい単元で未知の公式を学び、それを用いて問題を解くことができれば、学習の前後での成長は明らかです。当然、毎日が順調とは限らないので失敗することもあります。しかし、失敗も糧になるのが教育の場です。
 今から50年以上前に「365歩のマーチ」という曲がヒットしました。今でも時折、ドラマやCMで使用される「人生の応援ソング」です。私が好きな曲というわけではなく、表現もその時代を感じるものではありますが、歌詞に散りばめられたフレーズがとても素敵です。毎日良いことばかりではなく後退することもあったとしても、コツコツと取り組んだことは必ず開花するという内容です。興味がありましたら検索してみてください。
 さて、お子さんは一学期に自分らしさとして何を積み上げてきたでしょうか。積み上げるということは継続を意味します。些細なことであっても、必ず全てのお子さんに積み上げはあります。例えば、毎朝元気よく「行ってきます」と言って出かけることを生涯続けることができればとても素晴らしいことです。毎日新出漢字を一つ覚えることを続けると、今の学年で覚えるべき全漢字がお正月前に身に付くことになります。これらの姿には努力や高い意識があるという背景があります。本校は二期制のため夏休み前に「あゆみ」の発行はありませんが、どうぞ保護者の皆様、お子さんの今学期の努力を褒めて励ましていただけたらと思います。

【みんな素敵なのです】
 表現の仕方を「ポジティブ」にするか、それとも「ネガティブ」にするかで印象が大きく変わります。長所の反対となる短所は決して悪いことではなく、一人一人の個性を表す側面の一つであります。多くの人が肯定的ではないと思っていることをポジティブな言い方に換えてみます。すると、怒りっぽいことは「感受性が豊か」という表現になり、消極的な考え方は「現実的に考えることができる」となります。つまり、長所と短所の違いは印象の違いなのだと思います。
 前任校で9年生(中3)の道徳の授業をした時に、生徒は自分のよさを見つける時は悩むものの、友達のよさはすぐに答えることができました。自分のよさを他の人が知り、認められていることが嬉しくて安心したという感想を持った生徒達が多かったです。
 私の役割も、子供たちの「よさ」をたくさんみつけることです。そして、「よさ」が一層伸びるように環境や体制の整備に努めています。1学期の鶴居小学校は子供たち一人一人のよさ、学年・全校集団のよさが溢れておりました。今学期の教育活動を支えていただきました保護者・地域の皆様にお礼申し上げます。

○8月26日の土曜授業は参観日としております。地域の皆様の来校も歓迎しております。新型コロナウイルス感染症防止の対応が今年度変わりましたので、以前のように地域の皆様とのつながりを大切にしてまいります。日頃から温かく登下校の様子や教育活動を見守っていただいて いるお礼は、子供たちの成長する姿をご覧いただくことと考えております。是非ともご来校いただければと思います。
(7月7日の遠足は気温が29度まで上昇する中で行いました。その時に街中でお会いした方々 から、気を付けて過ごすよう温かい言葉をかけていただきました。改めて人が優しくて、子供 たちが安全で安心して過ごすことができる村であることを実感しました。)