2020年12月の記事一覧

【R0212巻頭言】「プラス言葉」と「マイナス言葉」

 日本漢字能力検定協会が発表している1年の世相を表す「今年の漢字」の1位は「密」でした。2~20位は「禍」「病」「新」「変」「家」「滅」「菌」「鬼」「疫」「粛」「染」「耐」「感」「命」「離」「災」「苦」「休」「悲」で、新型コロナウイルスやその対策、新しい生活様式、そして大ヒットとなった「鬼滅の刃」を意識したものとなっていました。「密」については、流行語大賞になった「三密」など多くの人が「密」を意識したということの他に、大切な人との関係が「密」接になり、人とのつながりの大切さを再認識する機会になったという前向きな声もあったようです。

 今年はこのコロナのこともあり、緊張感を持って毎日を過ごしているからか、あっという間に日がたってしまったように思います。振り返ってみると、2月27日に一斉休校となり、4月の新学期からは感染症予防対策を講じたうえで学校を再開したものの、感染拡大によって再び4月20日から5月末まで休校となりました。子供たちも長期間、家で過ごすこととなり、学習課題と自学に取り組む毎日となりました。6月からの学校再開後は、学校の教育計画を見直し、夏休みを短縮するなどして子供たちの学びを保障する取組を行ってきました。言葉には「プラス言葉」と「マイナス言葉」があります。エネルギーを高めてくれる、やる気になれる言葉と、エネルギーを下げてしまうやる気がなくなる言葉です。水が半分入ったコップを見たとき、「水が半分も入っている」と言えますし、「水が半分しか入っていない」ともいえます。「も」と「しか」のわずかな違いではありますが、自分自身の感じ方や相手への伝わり方は全く異なります。「マイナス言葉」ばかりを浴びている環境では、気持ちも落ち着かず、考え方もネガティブになってしまいます。ですから「コロナ禍だからできない」と言って後ろ向きになることなく、感染症対策を講じた上で「できる方法を考える」ことが大切と考え、前向きに教育活動に取り組んできたところです。保護者や地域の皆様には、いつもとは異なる対応となることもあり、ご迷惑やご負担をかけることが多かった1年だったと思います。学校の取組にご理解とご協力を頂きましたこと、改めてお礼申し上げます。

 明日から冬休みになります。コロナの影響で家族が家で過ごす時間、そして家族での会話もこれまでよりも多くなると思います。ぜひ、子供たちとの会話では「プラス言葉」をたくさん使って、家族で充実した時間を過ごしてほしいと思っています。

 新型コロナの終息が見通せない中ではありますが、新しい年も、幌呂中学校が生徒一人一人の笑顔であふれ、仲間の良さを認め合い、互いに切磋琢磨して自己実現できるよう、感染症対策を引き続きしっかりと行い、教職員が一丸となって生徒たちの成長を支援して参りたいと思っています。本年同様、ご理解とご協力のほどよろしくお願い致します。