学校だより

6月27日号

 脳の成長を止めてしまう3つの言葉

校長  小 林 香 織

 

 7日(土)は、最高の晴天の中、運動会を盛大に実施することができました。赤組も白組もそれぞれに勝利をめざして奮闘する姿が見られました。当日は、保護者・地域の皆様の競技への参加、また多くのご声援をいただき、ありがとうございました。

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 さて、先日の朝会で次のようなお話をしました。

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 「1日の中で、みなさんが一番話をしている相手はだれ でしょう?」友達・家族・ペットなど、いろいろな答え が出ましたが、実は、人が1日の中で最も話をしているのは自分自身です。どちらにしようか迷ったり悩んだりしたときに、子どもでも大人でも、頭の中で自分自身と会話します。この頭の中での自分との会話を「脳内トーク」と言います。この脳内トークをすることで、自分の進む道を決めていくなど、人は成長していきます。

 ところが、この脳内トーク、3つのNGワードを使うと、脳が働くことをやめてしまうのだそうです。そのNGワードとは・・・

「わからない」  「できない」  「知ってる」

の3つです。

 「わからない」・・・この言葉を脳内トークで使うと、脳はその瞬間に「もう考えなくてもよい」と認知してしまうのだとか。勉強が苦手な人や、問題解決が苦手な人は、この言葉をよく使っているといわれています。

 「できない」・・・この言葉も言った瞬間に脳は「できない状態」をイメージしてしまい、思考が停止するのだそうです。そして「できない」という言葉を使えば使うほど、脳が「自分はできないんだ」と暗示をかけてしまい、本当にできなくなってしまうといわれています。

 「知ってる」・・・「それはもう知ってる」と思った瞬間、脳は「これ以上学習する必要はない」と判断するのだとか。知っていてもあらためて読んだり聴いたりすることで、新しい発見があるかもしれません。

 このNGワードを使わないようにする…といっても、なかなか難しいですが、

「わからない」「なんだろう?」とか「できるところまでやってみよう」に。

「できない」「いまは難しくても、やってるうちにできるようになる!」に。

そして「知ってる」「聞いた(見た)ことあるけど、新しい発見はあるかな?」に変換して、自分の脳を思考停止しないようにしましょう。

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 日常的に無意識で行われる「脳内トーク」。たしかに、NGワードを多く使っている人よりは、使わずに前向きな言葉を使っている人の方が、他人から見ても楽しそうだし、人間関係も上手に作れてそうだし、仕事もスムーズにいってそうで、いろいろなことがうまく回っている感じがします。

「脳は大人になってからでも、いくらでも変化できる」という研究データもあるのだとか。せっかくなら、自分の人生をより楽しく、前向きにするためにも、学校で、家庭で、地域でNGワードに気をつけながら、脳も、仕事も、そして地域も活性化したいですね!

5月28日号

『失敗は成功のもと』~レジリエンスを高めよう

校長  小 林 香 織

 春の大型連休も終わり、いよいよ下幌呂にも運動会の季節がやってきました。子供たちは6月7日の運動会本番に向けて、赤組白組ともにスローガンを決め、それぞれの競技に向けてチーム一丸となって練習に励んでいます。

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 運動会では、チームで、個人で様々なチャレンジが繰り広げられます。それは運動会当日だけではなく、運動会前の準備や練習の時間にも行われています。「去年負けた◯◯さんに、今年は勝ちたいから□□の工夫をしてみよう!」とか、「リレーで勝つために、バトンパスの精度を上げよう」など、いろいろな工夫を凝らし、チャレンジをします。もちろん、全てのチャレンジが成功するわけではありません。チャレンジですから、当然「失敗」もあります。「最後まで走りきれなかった」「時間内に終われなかった」「できると思ったのに、うまくいかなかった」などなど…。

 失敗から立ち直るための力を「レジリエンス」といいます。 もともとは物理学の用語でボールなどがへこんでも元に戻る「弾力性」という意味を持つ言葉です。

 空気が十分に入って丸いボールは、地面にぶつけた瞬間にはへこみますが、弾力性によって跳ね返ります。このしなやかに跳ね返る力こそがレジリエンスです。

 では、このレジリエンスはどのように高めるとよいのでしょうか?実は、レジリエンスを高めるために必要なことは、「小さな失敗」です。「我が子には失敗させたくない」と思う親心はわかるのですが、この「失敗」はどのレベルの失敗でしょう?「人生においての失敗をさせたくない」のであれば、小さな失敗をたくさん経験させて、失敗を乗り越えさせる力を子供に付けてあげることが必要です。逆に、「小さな失敗すらもさせたくない」というのは、子供の生きる力を奪っていることと同値です。

 最近は些細な失敗ですぐに「◯◯ができなかった私には価値がない」と考えてしまう20代くらいの若者が増えているようです。そんな若者の姿を見ると「小さな失敗を乗り越えてこなかったんだなぁ」としみじみ思います。小さな失敗を乗り越えると、小さな「自信」が芽生え、「自尊心」も生まれます。また失敗を乗り越えるために誰かに相談することで「コミュニケーション能力」が育まれ、乗り越えた経験から「これくらいなら大丈夫」という「楽観性」も生まれます。「レジリエンス」は、「自信」「柔軟性」「自尊心」「体力」「ストレス対処力」「忍耐力」「コミュニケーション能力」「楽観性」「感情コントロール」など、様々な力が合わさったものですから、これらの力を子供のうちから少しずつ身に付け高めていくことが、いくつになってもくじけずに前を向いて進んでいく原動力になっていきます。

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 子供に「失敗させない」ではなく、子供が「(小さな)失敗をしても自力で乗り越えた」ことに多くの賞賛を送ることが、子供たちのしなやかな大人に向けた成長に直結するとしたら、やはり大人の側の「見守る」が大事なのだろうと思います。学校でも家庭でも地域でも、手を出したくなる所をぐっと堪えて、「見守る」支援を進めていきたいですね。

4月28日号

 令和7年度下幌呂小グランドデザイン

校長  小 林 香 織

 4月7日の始業式、入学式、12日の参観日、PTA総会、そして22日~24日の個人面談と、保護者の皆様にはご多用中にもかかわらず、本校の教育活動へのご理解とご協力をいただき、ありがとうございました。

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 さて、参観日の全体懇談会でお話しました、今年度の学校経営方針を基にしたグランドデザインですが、改めて説明させていただきます。

  「下幌呂小学校の児童として」「鶴居村の子供として」鶴居村教育行政執行方針や下幌呂小学校の校訓・教育目標をもとに、めざしたい姿や、身に付けさせたい資質・能力について記述しています。めざす「子ども像」「学校像」「教師像」を具体的にすることで、共有していきます。


 ② 子供たちに身に付けてほしい「確かな学力」「豊かな心」「健康な体」を校訓と結びつけながら記述しています。それぞれに達成指標を設け、そのクリアをめざして、子供たちが頑張ることができるように充実させたり推進したりしていきます。


 ③ 子供たちによりよい教育を推進するために、教師が身に付けなければならない力について記述しています。「子供の学びと教師の学びは相似形」といわれますので、教師がしっかり力を付け、子供たちの学びを下から支えていきます。


 ④ 保護者・地域の皆様との連携や保小中の連携は、子供たちの成長を側面から支えていただく部分です。学校と家庭・地域がバラバラでは、子供たちは混乱しますので、同じ方向をめざしてタッグを組んで行けるようにしたいと考えています。


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 細かい文言については、全体懇談の折の資料をじっくりお読みいただきたいと思いますが、子供たちを学校と地域・保護者が下から、側面から支えることで、上をめざして成長して行って欲しいと思います。ただ、「支援」の中には「見守る」という支援もあります。子供たちが失敗しても自力で立ち上がって次に進むことを選択し実行できるように、一人一人にあった支援を、学校と家庭・地域とが連携し進めたいと思います。

4月11日号

 

 『努力』ってなんだろう?

                   校長  小 林 香 織

 4月7日、鶴居村教育委員会教育長 村上明寛様、下幌呂小学校PTA会長 畠山 務様をはじめご来賓、保護者の皆様のご臨席を賜り、無事に令和7年度入学式を挙行することができました。改めましてお礼申し上げます。

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 さて、入学式前の始業式では、昨年度末の修了式の時にも話をした『努力』について、子供たちに話をしました。

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 3月の修了式に、コップとスポイトの話をしたのを覚えていますか?何かをできるようにするためには、コップにスポイトで水を一滴ずつためてためて・・・あふれるまで頑張ってためないと、努力の成果が現れないですよ。ためている最中は、どこまで貯まっているのかとか、あとどれくらい頑張れば良いのかはわからない。でもあきらめたら、せっかくためた水もこぼれてしまって、何も残らないですよ。「努力」ってそういうものだから、あきらめずに頑張りましょう。というお話でした。

 新しい学年になり、新たにコップに水を貯め始める人もいれば、これまで頑張ってきたことを続けて頑張り、さらに大きなコップに水を貯める人もいると思います。どちらもやるよという人もいると思います。

 新たなチャレンジをするにしても、今までのを続けるにしても、水を貯めている途中で成果が出てこないからといって泣いたり悔しがったりする必要はありません。あきらめずに水を貯め続けることが大事ですね。

 実は、この「あきらめずに頑張る」という力も、大事な能力です。「能力」には、国語や算数のように、テストの点数などでどれくらいの力がついたか見える『認知能力』と、『努力』のように実際には見えないし、どのくらい力がついているか見えない『非認知能力』があります。

 大人になって仕事をするときには、『認知能力』よりも努力する力や続ける力、人とコミュニケーションをとる力などの『非認知能力』が大事になってきます。そしてなかなか結果が出なくても、泣くのではなく、『泣いてても仕方がない。泣いてるくらいなら、次にどうするか考えて次に進まなきゃ!』と考えます。みなさんも、昨年度より1歳大人に近づきました。次に進むためにも、気持ちの切り替えを早くして、またコップに水を1滴ずつ貯めて、自分の力を高めていきましょう。

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 私たち大人は、1回や2回頑張ったからといって、すぐに結果に結びつくものではないことは重々承知ですが、子供にとっては案外、「1回頑張った=結果が出る」と考えている事が多いようです。でも「コップに水を1滴ずつ貯めていくことが努力」というイメージが持てると、「どのくらい貯まったかなぁ」「まだまだ貯めなきゃダメかな」「もう少しであふれるかな」と、少し自分に期待を持ちながら、努力することを楽しむことができるようになります。

 学校では子供たち一人一人が自信をもって、努力することを楽しみながら学びに取り組んでいけるよう、保護者・地域の皆様と連携を深めながら指導・支援をしていきます。どうぞ一年間よろしくお願いいたします。

1年間ありがとうございました

                                                                                                              校長  小 林 香 織

 

 19日(水)に、第79回卒業証書授与式を挙行しました。6年間の学びを終え、巣立ち行く3名の卒業生の晴れやかな、そして未来に向かって羽ばたこうとしている素敵な笑顔が輝きました。

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 4月の始業式で、「いろいろなことに挑戦して、自分の1番を探してください」と子供たちにお話しました。この1年で、全員が何かしらの1番を見つけられたかな…と思います。ともすると、人は他の人と比べて優劣をつけてしまいがちです。でも、本当に比べなければならないのは他人ではありません。昨日の自分より少しでも成長する、これが大事になります。たしかに1日に成長する量は、場合によっては手応えがないことが多いかもしれません。でも「塵も積もれば山となる」。ほんの僅かな1日の成長も、1年365日経つと、明らかに大きな成果となります。

 本日の修了式で渡された通知表には、この1年間の学びを全て修めましたという意味の「修了証」がついています。

 それぞれの学年での学びは、教科の学習だけではありません。「勉強」としてできることだけでなく、様々な行事や体験・経験を通して得られること全てが「学び」となります。例えば、算数が苦手でも誰かの話をじっくりと考えながら聞くことができたり、運動が苦手でもお話しすると多方面にわたって知識が豊富だったりと、子供たち1人1人には教科の学習だけでは測れない側面がたくさんあります。

 通知表では、学校での教科の学びと、日常の様子での学びの両面を評価しています。「学習の様子」や「行動の記録」の◯の数だけで一喜一憂するのではなく、多くの側面からこの1年の子供たちの学びの深さを認め、誉めてあげてほしいと思います。

  人は、何かしら得意なこと、苦手なことを持っています。そしてそれは、誰1人同じではありません。苦手なことは、全て克服しなければならないのではありません。どんなに頑張ってもできないこともたくさんあります。例えば「100mを10秒未満で走れ」といわれたところで、無理です。どんなに頑張ってみたところで、できるようになるわけでもありません。「○○が苦手な自分」も「◎◎が上手な自分」も「△△ができない自分」も「@@が速い自分」も、全て自分だと認めることができるようになると、気持ちが楽になります。

 といっても、苦手なことを全て「できないんだからできなくても仕方ない」と諦めるのではなく、大人になったときに困らない程度に頑張れる力を、子供のうちにつけておくことが大事です。『苦手だけど頑張れる』そんな気持ちが子供たちにとって、大事になりますね。

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 本日、令和6年度一年間の教育活動を無事に終えることができました。これもひとえに保護者・地域の皆様のご理解とご協力の賜物と、心よりお礼申し上げます。ありがとうございました。

 まもなく始まる令和7年度を迎えるにあたり、下幌呂小学校が子供たちにとってさらに「安心して失敗できる場所」であり「自分のよさや可能性を見つけ、自ら伸ばしていける場所」となり、「保護者・地域の皆様と一緒に子供たちを育んでいける場所」となれるよう、教職員一同、力を傾注したいと存じます。今年度のご支援、ご協力に感謝するとともに、次年度もどうぞよろしくお願いいたします。