学校だより

令和5年5月31日号

『運動会を一場面として』
                                 校長 笹 川 義 孝

 5月27日は多くの皆様にご来校いただき、天候に恵まれた中で運動会を予定通り開催することができました。大変温かい雰囲気作りを保護者・地域の皆様がしてくださり、子供たちは伸び伸びと力を発揮することができました。ありがとうございました。
 学校は、行事や学習・生活で子供たちが成長していく「過程」を大切にしています。今回の運動会を機にその姿を話題にします。

【十人十色の運動会】
 体を動かすのが好きだった小学生当時の私は、運動会を毎年楽しみにしていました。対照的に、2歳上の兄は家で自分の時間を過ごすことを好み、運動も得意ではなく運動会は気が進まない行事であったように記憶しています。令和2年の緊急事態宣言下に学校が長期休業した時、多くの学校が運動会は実施して学芸会は中止または代替の発表会としました。当時勤務していた学校の子供たちは、運動会よりも学芸会開催を強く望んでいました。運動会が楽しみで小学生の頃の私と同じように高揚感のある子ばかりではありません。全員が競技や応援に参加することは、当たり前なのではなく凄いことなのだと思います。
 児童の代表や放送担当としてマイクを手にする子たちからは、緊張感が伝わりました。重大な役割を自覚しているのです。徒競走やリレーで走る姿は、練習時と意気込みが違いました。仲間や応援を送る家族の期待に応えたいのです。全員が持つ「背景」が異なり、十人十色の思いがある運動会。今回見られた、お子さんらしさといつもとは違う一面のどちらも成長の証です。

【集団力を高める運動会】
  『タンチョウソーラン』は勝敗ではなく「魅せる」ことが目的であり、ご覧になった方の反応や感想の内容が結果です。保護者の皆様から直接感想をお聞きしておりませんが、ビデオを構える姿やお子さんの姿を目に焼き付ける姿と表情から、ご評価いただけたと思っております。
 毎年行う恒例種目でありますので、上級生になるにつれて経験による熟練さがあり、背中を見て下級生が育つ手本となっています。運動会に向かう期間では、日に日に全校の一体感が高まりました。練習では、相手の姿を見て分析し、自分の姿はビデオで分析し改善点を見出します。教員の指導があるものの、子供たちが自分たちで演技を高めようとする意識があります。この姿勢は、今年度の姿なのではなく「よき伝統」であり、今回も無事継承されたと思っております。
 個人的に、今回の運動会で集団力の高さを強く感じたのは、タンチョウソーランでの「鳴子の音」と「かけ声」です。統一感があるので音と声が大きく聞こえ、音と声のあるなしのメリハリがありました。実際の児童数よりも多くの子がいると錯覚するくらい力強さを感じました。

【保護者・地域あっての運動会】
数年ぶりに来校者の人数制限をしない運動会でありました。コロナの影響を受けていない頃の地域・家庭との繋がりを戻さなければならないと考えております。今回、親族の方にもお声かけして来校いただいたことに大変感謝しております。
 冒頭で述べましたように、今回は保護者・地域の皆様には子供たちが一層力を発揮する場作りに努めていただきました(特に「親子玉入れ」では、大人の勢いに子供たちが引き込まれた感がありました)。子供たちの活躍が家庭・地域を明るくし、家庭・地域の支えを受けて子供たちが成長する相乗効果が見られる教育活動を今後も目指してまいります。