学校だより

【R0209巻頭言】後期のスタートにあたって

 9月の上旬はまだまだ暑い日が続いていましたが、最近は道東らしい爽やかな青空が広がっています。朝晩の冷え込みにより日々の寒暖差が激しくなっています。寒暖差が激しいと体調を崩しやすいといいます。気温に応じた服装や、室内の温度管理など、急激な体温変化を起こさないようにして体調も整えていきたいものです。

 さて、9月28日から後期のスタートとなりました。前期はコロナウイルス感染症拡大防止のための臨時休校等がありましたが、夏休みを短縮したこともあって進度も回復し、時間数としては真ん中の少し手前で1年の折り返しとなりました。1年生にとっては中学校最初の1年間の折り返し、2年生は中学校3年間の折り返し、そして3年生は最終学年としての折り返しです。26日に行った前期の終業式では、渡された通知表を見てこれまでの生活(努力)を振り返り、「自分にとって満足、納得のいく半年だったのか。そしてそのことをどう後期につなげるのかを考えてほしい。」と子供たちに話をしました。あらためてそれぞれの次のゴール(目標)について、どのようなゴール(目標)を考え、これからどのように毎日を過ごしていくのかを、具体的に考えてみるということです。特に3年生はこの残り半年で、中学卒業後の進路を決めその実現に向けて全力を尽くす大切な毎日を過ごすことになります。

 後期はまず幌中祭の取組から始まります。すでに夏休み明けから教科の学習や学級で、10月17日(土)に向けて準備が始まっていますが、9月28日からは特別時間割となって取組が本格化しています。コロナ禍での開催となりますので、例年行っている演劇は中止とし午前中のみの日程としましたが、感染症拡大防止策をしっかりと行って、来校される皆様が笑顔になる発表を目指して取組を進めていきます。たくさんの保護者やご家族の皆様、そして地域の皆様にご来校いただければ幸いです。

 この「幌中祭」では学年・学級の枠を超えて全校で行う取組もあります。他の仲間と協力して向上することの喜び、持てる力を最大限に発揮し一丸となって感じることのできる達成感や充実感といった「学校ならではの学び」を味わってほしいと思っています。しかし一方で「幌中祭」の取組のような集団での活動は、緊張や疲労がたまることで人間関係の衝突なども起きてしまったりもします。それが表面に現れる生徒もいれば、内面に閉じ込めてしまう生徒もいます。私たちは大きなトラブルやいじめ等につながらないよう、未然防止につとめていきますが、生徒たちの成長過程におけるこういった課題は、生徒たち自身の解決(折り合いをつける)を通して、豊かな人間性や社会性を育んでいくことにもつながると考えております。この時期に限ったことではありませんが、私たち大人が、学校と家庭のそれぞれの特性、役割を生かし、連絡を取り合い、適切に支援しながら生徒一人一人が生き生きと過ごしていけるように見守っていきたいと思います。

 一年の中で、一番活動しやすいこの季節、行事や日常の学習などすべての活動を充実させて取り組んでいけるよう、コロナ禍での感染症対策をしっかりと継続し、生徒たちの体調に気を配りながらサポートをしていきたいと考えています。

【R0208巻頭言】子供たちが自ら考え、議論していく授業づくり

 いつもとは違う短い10日間の夏休みが終わりました。冬休みまでの登校日数を数えてみると91日(回)。9月は前期の期末テストや部活動の秋季大会、そして10月の幌中祭に向けての準備など、子供たちはやるべきことが目白押しの状態です。さらに3年生は進路選択の参考資料となる学力テストも行われます。子供たちには夏休み明けの集会の中で、『「WITHコロナの生活」の中でも、単に「頑張る!」ではなく「何をどう頑張るのか」をしっかりと考えてほしい』と話をしたところです。先の見通しを持った取組が必要となりますので、余裕を持った対応ができるように指導をしてまいります。

 さて、夏休み前の話になりますが8月6日は広島平和記念日でした。75年前、広島に原子爆弾が投下された日です。例年ですと夏休み中なので、学校でこの日に「ヒロシマ」について触れることはできませんが、今年は授業日ということもあり、戦争の悲惨さや平和の大切さについて子供たちに担任から話をしました。そして、2・3年生の学級通信でも紹介されていましたが、2・3年生では道徳の時間に貧困や紛争のある国で「国境なき医師団」として医療援助活動を行っている貫戸朋子さんについての授業を行いました。「これから来る新たな患者のために、助かる見込みの低い男の子の酸素ボンベを切ったという私の判断は正しかったか」という難しい問題に子供たちは真剣に向き合い、「命」について深く考えたようです。

 この「ヒロシマ」についての2・3年生への担任からの話、そして同じ日に行った道徳の授業のように、道徳については道徳の時間だけではなく学校の全ての教育活動と関連付けて指導を行っていくことが求められています。道徳の時間で学ぶ価値内容は学習指導要領に示されていますが、さまざまな道徳的価値に対して「自分のこととして考える」「これからの自分の生き方について考える」ことが必要です。たとえば「きまりはなぜあるのか」「きまりは守らなければいけないのか」「きまりがなければどうなるのか」「きまりだから守るのか」という価値に対する様々な考えから、「自分はどうだったか」「それでよかったのか」「これからはこうしていこう」と自分の生き方に結びつく考えをさせていくことが大切です。そのために現在の道徳の授業では、子供たちが自ら考え、議論していく授業づくりが求められており本校でも取り組んでいるところです。議論する力を高めるには国語の時間、学級活動の時間などでも行われます。道徳の時間の議論はねらいとする価値にせまるため、よりよい価値観に気づかせるために行うことが大切です。資料等に登場する人物の葛藤の裏にある価値の高低、他の価値とのかかわり、多様な価値に対する考えを発表し、「そういうことか」「その考えはすばらしいな」「自分はできなかったな」「よし、これからやってみよう」というように議論を通して高まっていくことを期待したいものです。中学生という発達段階を踏まえ、議論する形態も工夫し、子供たちが自由に議論できる雰囲気づくりを大切にしていきたいと考えています。