学校だより

令和3年5月31日号「自主性と主体性を育てる」

 コロナウィルス感染症に関わる緊急事態宣言が延長となりました。学校は感染症拡大防止のため、様々な制限の中で我慢の生活が続いていますが、今後もこれまでと同様、しっかりとした対策を講じていきながらも、生徒の意欲ややる気を引き出し、学校生活の中で身につけていく力を「目的」や「ねらい」をしっかりと定め、どういった場面でどのようにしてできるかを考え、教育活動を推進していきます。
 1ヶ月前のことになります。4月30日に前期生徒総会が行われました。書記局の活動計画の中に「Take Pride ~誇りをもつ~(自分のことや学校を誇れる生徒になってほしい)」と書かれていました。生徒総会の終わりの校長からの話の中で、このことについて次のような話をしました。

 生徒会活動は、みなさんが「主体的に」活動できるものの1つです。もちろん、何をしてもよいということではなく、周りのことを考えたり、先生方に相談したりすることも必要です。自分で考え、自分から行動し、自分たちでよりよい学校生活が送れるようにすることができると思います。
 書記局の目標に「誇りを持つ」というのがありました。とてもよいことだと思います。そこで考えてみました。そのためにはどんなことができればいいんだろうと。例えば、生活委員会の整列指導。委員の人が自分から進んで指示を出す。並んでいる人も、それをしっかりと聞く。そして的確な指示をだしてくれたおかげ、指示を聞いてくれたおかげと、互いに相手を思いやれることができれば、整列もしっかりとできるだろうし、結果、自分たちってすごい、やればできると思える、誇りを持てるようになるんじゃないかと思います。
 みなさんのこれからに期待しています。

 

 この話の中で出てくる「主体的」(主体性)は、昨年に引き続き、「今年度のキーワード」として示している4つの言葉のうちの1つです。この「主体性」に似た言葉で「自主性」という言葉がありますが、その違いは次の通りです。自主性は「やるべきことが明確になっていて、それを人に言われなくても率先して行う」こと。主体性は「何をやるか決まっていない状況で、目的を達成するために自分で考え判断し行動する」ことです。子供が毎日行っている家庭学習を例にすると、先生から出された宿題を家の人に「宿題やりなさい!」と言われなくても自分から進んでやるのは「自主性」、自分で考えた方法(授業の復習だったり予習だったり)で学習をするのが「主体性」ということになります。ただ、宿題では「主体性」が育たないのかというとそうとも限りません。やる内容は決まっていても、やる時間、やり方など、子供たちが自分で考えて決めることができる要素はたくさんあります。ですから「宿題」で自主性を伸ばし、さらに「主体性」を伸ばすこともできるはずです。
 「自主性」「主体性」を育てるのには時間がかかります。私たち大人も「こうしなさい」「ああしなさい」と言うことは簡単ですが、それでは主体性どころか自主性も育ちません。「やるべきこと」をはっきりさせる、さらには何のためにという「目的」をはっきりさせる、そして大人が「見守る」「待つ」ことで、子供たちに自分で考え、判断する場を数多く経験させることが大切だと思うのです。
 学校としても、子供たちの自主性や主体性を伸ばしていけるよう、様々な場面で子供が「自分で決める」ことができるよう指導にあたっていきたいと考えています。
+ * + * + * + *
 生徒総会後の5月10日と24日の朝会。10日の整列は自分たちでやろうという姿が見られ、24日はそれに素早さが加わっていました。