2021年7月の記事一覧

令和3年7月20日号「情報活用能力を育てる~GIGAスクール構想~」

                                                                                                                                 

 7月2日、体育大会を開催いたしました。コロナウイルス感染症拡大防止のため、これまで行っていた内容を見直しての実施でした。 生徒たちは、大会に向けた取組期間中、競技の練習、係活動の準備など主体的に活動していました。大会当日はその成果を発揮し、それぞれが「走跳投」で全力を出し切ることができたことはもちろんですが、懸命に走っている仲間を声を出して応援できないぶん大きな拍手で励ます姿、生徒会が考え接触機会を減らし感染症対策をしっかりと行った生徒会種目を笑顔で頑張る姿などが見られ、実施することができて本当によかったと思っているところです。保護者のみなさまも、平日であったにもかかわらず、感染症対策にご協力いただきながらの観覧、ありがとうございました。

 さて過日、生徒が学校で使用している一人一台タブレット端末を一度家庭に持ち帰らせ、ご家庭でのWi-fi接続確認を行っていただきました。お忙しい中、ご協力ありがとうございました。

 この一人一台タブレット端末(機種は自治体ごとに異なります)は、令和元年12月に国が示したGIGAスクール構想に基づき全国の学校で整備されたものです。GIGAとは Global and Innovation Gateway for All を省略したもの(携帯電話会社が使用しているギガとは異なります)で、この構想は「生徒1人1台のコンピュータ(タブレット)」と「高速通信ネットワーク環境(校内のWi-fi)」を整備し、教育ICT環境を整えるというものです。当初は令和5年度までの計画でしたが、コロナウイルスの影響により前倒しとなり、令和2年度中に整備を行い、令和3年度開始をめざすこととなりました。情報化が進む社会では10年先の状況を見据えて、「主体的・対話的で深い学び」をとおして、3つの資質・能力(「知識や技能」「思考力・判断力・表現力」「学びに向かう力、人間性等」)をバランスよく育むことが求められています。あわせて、学習の基盤となる資質・能力として「言語能力」、「情報活用能力(情報モラルを含む)」、そして「問題発見・解決能力」を様々な教科等で育んでいくことも求められています。

 ここで学習の基盤として示されている「情報活用能力」とは、「情報そのものやICTをはじめとする情報技術を活用する力」のことです。IoT、ビッグデータ、AI等の技術革新が進む社会で求められる力でもあります。そのためには、情報手段(ICT機器等)の基本的な操作を文房具の利用と同様の必須スキルと捉えることが必要だと言われています。情報を収集・整理・発信する力、プログラミング的思考、情報モラルや情報セキュリティに関することについての学びも重要になってきます。このような学びをとおして「たくさんの情報の中から、必要な情報を見つける力、正しい情報を見抜く力」などを身につけていくことが大切です。中学校では技術・家庭科の技術分野の「情報の技術」領域で、プログラミングや情報セキュリティについての内容が充実しています。また学校では、「情報活用能力」を育てることと合わせて、これまで以上に教科指導におけるICTの活用が求められています。これまでも行われてきた教員が大型モニタに画像や音声、動画などの教材を映し出すことや、プレゼンテーションソフト等を用いて資料や作品を制作するといった活動に加え、発表や話し合いなどの協働学習でも活用が求められています。「GIGAスクール構想」→「オンライン授業」というイメージが強いかもしれませんが決してそうではありません。また、学校の全ての授業がICTによるものに変わるわけでもありません。ただ、GIGAスクール構想により教育ICT環境を整えることで、授業でICTを活用する場面が増え、学習効果を高めたり、時間を効率的に使えたり、子どもたち一人一人の学習状況を的確に把握して学びを充実させたり、「情報活用能力」を育てたりすることにつなげていくことが、今後は重要であると考えています。

 明日から27日間の夏休みになります。生徒たちには、それぞれこの休みの目標があると思いますが、感染症対策をしっかりと行いながら、充実した休みを過ごすとともに、心と体をゆっくりと休め、エネルギーを蓄えてほしいと願っています。

令和3年6月30日号「日本一あいさつも美しい村~あいさつで子供たちを育てる~」

 スローガン「日本一あいさつも美しい村」は、令和元年度の鶴居中学校区コミュニティスクールの熟議の中で、3校が共通のあいさつスローガンとして決められたものです。その具体的な取組として”のぼり”を作成し、各校であいさつ運動が行われています。地域の中であいさつが飛び交うことで、コミュニケーションがより活発になり、地域の皆様にはあいさつ運動とともに「ながら見守り」にもご協力をいただき、子供たちの交通安全や事故防止(不審者等)につながるものです。

 このあいさつ、これまでにもお知らせをさせていただいていますが、目指す生徒像を教職員、生徒、保護者・地域の皆様を共有していけるよう示している「今年度のキーワード」のうちの1つです。

 朝会講話で「あいさつ」について次のような話をしました。

 

Hello(ハロー:英語) Bonjour(ボンジュール:フランス語) Guten tag(グーテン・ターク:ドイツ語)

Ciao(チャオ:イタリア語) 你好(ニイハオ:中国語) 안녕하세요(アンニョンハセヨ:韓国語)

 これらの言葉、聞いたことがあったり、知っていたりする言葉で、すべて日本語に直すと「こんにちは」という意味です。

 他の国の言葉を学ぶとき、はじめに覚える言葉の1つがあいさつにかかわるものです。それだけあいさつは大事なことだということです。

 あいさつは「相手によい印象を持たれる」「会話のきっかけになる」「自分の緊張をほぐすこともできる」というメリットがあります。あいさつのポイントは「笑顔」で「ハッキリ」と「相手の目を見て」、そして自分からすることです。

 日本一あいさつの美しい村の中学生として、あいさつができる人になってください。

 

 

経済心理学を専門とするある大学教授が企業を例にあげて、次のようにあいさつの重要性について言っています。

〇あいさつが減るとコミュニケーションのきっかけがなくなり、情報交換が滞る。その結果、「うっかりミス」が多発す             る。

〇あいさつがさらに減り、あいさつの際に声を出さず、頭をさげるだけになると、多くの社員はストレスを感じ、「意識的に力を抜くこと」が増えたりして、会社組織がよくない方向へ向かってしまう。

〇さらに状態が悪くなって、頭を下げるどころか全くあいさつをしなくなるとどうなるか。あいさつは「攻撃性を減らす」という役割がある。良く思っていない相手でも、向こうから明るくあいさつされると怒りが薄れる経験は誰もがあるはず。あいさつが全くない組織では、相手や組織全体への怒りがあふれ続け、その組織はよくない方向に進み、ダメになってしまう。

 

 

 大人の社会であってもこれほどまでにあいさつは重要なものだと言うことです。

 また、あいさつは良好な人間関係を築き、「承認欲求」(認められたいという気持ち)を満たすといわれています。そしてそれは自己実現という「本当になりたい自分」に近づくための大きな原動力になるともいわれています。

 これから社会に出て、そこで生きる子供たちにとっては「あいさつ」は今も昔も重要なスキルなのです。

 今はコロナ禍でマスク越しのあいさつになってしまいますが、マスクをつけていても笑顔で気持ちのよいあいさつはできるはずです。ご家庭でもぜひ「おはよう、おやすみ、いってきます、いってらっしゃい、ただいま、おかえり」等、お互いの声かけを続けていただければと思います。保護者・地域の皆様も一緒になって「あいさつ」を通して、子供たちを育てていただければ幸いです。